お休みどころ
(2020年1月29日)
   
  小獣舎の展示場の園路側の半分には屋根がありません。(「の」の多い文章ですみません)住人のお気に入りの場所が園路側に近いと、雨の時に困ったことになります。落ち着ける場所をいくつか想定して展示場を用意してありますが、なかなか思い通りにはいきません。メスのイタイプーは手前左の高い台の上がお気に入りですが、ここは雨に濡れるし、冬は寒さをしのげません。そこで、頂いた木箱を利用して、来園者から見やすく、また風も防げるようにアクリル板を使ってお休みどころを作ってみました。動物によっては、知らないものを非常に警戒し、出入りすらしなくなることもあります。でも、イタイプーは違います。寝室から出て、新しいものを見つけて中に入ってみるまで1分足らず。あっという間に利用法をマスターしました。設置してから陽の当たるときがありませんが、サンルームのようになることを期待しています。暖冬といえど、これから気温の低い日が続きそうです。暖房のある寝室と出入りが自由になっていることで、展示場に動物の姿が見えない時もあります。新しいお休みどころの利用で、展示場で過ごしてくれる時間が増えるといいなと思います。

(小高)



  
(2019年3月30日)

   
アカハナグマのオス、イグアスとメス、イタイプーはブリーディングローンと言う形で大宮公園小動物園にいます。繁殖を目的とした動物の貸し借りなので、繁殖が第一目的です。いつもは別々の部屋で1頭ずつ生活していますが、この時期は一緒にいます。南アメリカの熱帯にすみ、野生下でも通常はメスと子供の群れで過ごし、オスは一人です。繁殖のシーズンのみ群れに受け入れてもらえるそう。毎日、イグアス君がイタイプーさんの部屋に通っていますが、おおむねイタイプーさんが優勢。もうあまり時間は残されていないアカハナグマの恋の季節ですが、どうなるかは彼らのみ知る。最後はメスの「こっちに来ないで!!」と言う叫び声で終了します。

(小高)




 新しいペアをめざして
(2018年1月15日)
 
              

昨年の夏の終わりにメスのパラナを失くしてひとりだったイグアスに新しいパートナーがやって来ました。今回もイグアスのふるさと長崎バイオパークからのブリーディングローンです。2012年5月生まれで石川動物園で生まれています。昨年末、検疫が終了し小獣舎の空き部屋で生活を始めました。イグアスとはまだ会っていませんが、寒さのピークが過ぎたらペアリングを始めたいと思っています。「イタイプー」と呼んでいます。


(小)




 水入らず
(2016年3月31日)

   

昨年の12月にオスの仔が旅立った後、今度は、母親のパラナと2頭で暮らしていたメスの仔が引っ越しをしました。これで、子どもたちがそれぞれ独立したので、元のペアに戻し新たな家族を作る準備に入りました。

アカハナグマはメスとその子供たちから成る群れで生活をしています。通常オスは群れには入れません。この繁殖の時期だけメスが群れに留まるのを許します。ここでは群れではありませんが、パラナの攻撃がない間だけイグアスは同居ができるわけです。

久しぶりの同居なので、けっこうひやひやしながら2頭を一緒にしたのですが、大きなトラブルもなく過ごせています。餌の時は大食いのイグアスを別にしておかないとパラナの分がなくなってしまいます。それに、食べているときは急に気が強くなるようで、怪我をするのはいつもイグアスでしたから、今回も朝夕2回、食事の時だけは別居です。

これから家族が増えるかどうかは彼ら次第です。工事が始まって落ち着けないかもしれないけれど、どうぞ自分たちのペースで過ごしてください。


(小)




  南へ
(2015年12月15日)
 
      

一昨年の6月に産まれた2頭のこどもたちは今年で2歳を迎えています。アカハナグマはおよそ2年で大人になるとされているので、今年の春の小獣舎の塗装工事の時からオスのこどもは親から離して1頭で暮らしていました。もともと、メスとそのこどもの群れで生活し、オスはその周辺で暮らす動物なので、オス親とはすでに別れて暮らしています。今回、動物園同士の話し合いにより、このオスのこどもが四国ののいち動物公園へ行くことになりました。大宮にいては母親と兄弟しかいませんので、自分のこどもを残すことが出来ません。ですからこの引っ越しはとても楽しみなことです。移動当日の朝、移動用のケージに入った後、車と飛行機で引っ越しです。夕方には無事到着したと連絡があり一安心。

2年半暮らした埼玉をいつまで覚えているのだろうなどと、まるで人間のことのように考えてしまいますが、きっともう新しい放飼場で新しいおもちゃを壊していることでしょう。元気で暮らしてくれることを願います。高知の皆さん、よろしくお願いしますね。


(小)




要領の良いトリ発見!
(2013年4月15日)

  
                                      ジュウシマツってこんな鳥


アカハナグマのハナちゃんは高齢のため(15歳です)隣にいる若いペアとはだいぶ異なる生活をしています。餌の内容もその1つです。朝、放飼場に出す時、ハナにはミルワームと言う昆虫の幼虫を使用しています。ウッドチップを撒いたところにミルワームをまいて、大好物の虫を探すことで運動をさせるのです。開園前の時間なので見ることはできないのですが、それも失敗の原因でした。


放飼場に餌を置き、扉を開けてもハナはなかなか起きてきません。そこで、そのまま次の作業に進みます。いろいろな音でそのうち起き出し自分で出てゆくからです。冬の間、ずっとそうしてきました。ところが、本来ならハナが見つけて食べるはずのムシを何と!シジュウカラ(野生の鳥ですよ!)が檻の隙間から入ってきて食べているのを発見。びっくりです。シジュウカラは市街地の公園や庭などでも普通に見られる鳥です。ですが、他の放飼場にスズメがいるようには慣れていない鳥です。よっぽどお腹の減っている時にムシを見つけて学習したか、警戒心の少ない個体か。開園前で園路に人が歩いていないのも、鳥にとっては安心だったでしょう。
暖かくなり、外に出るのを扉の前で待つようになった今、餌のミルワームはちゃんとハナちゃんのお腹におさまっています。



(小)




ハナのお昼寝
(2013年2月28日)



アカハナグマのハナさんは199710月生まれの15歳のおばあちゃんです。アカハナグマの寿命は野生で78年、飼育下で1415年と言われているので十分におばあちゃんなのです。


昨年までは展示場の角の棚の上に保温ライトを点けておくと、スロープを使って上がっていたのですが、夏に脇の網をつたって降りようとした際に爪がひっかかり宙ぶらりんになるというアクシデントが起きてからスロープを使わなくなってしまいました。
熱帯に住む動物なので、日本の冬は寒すぎです。去年と同じ保温方法がとれなくなってしまったので、この冬は保温マットを使ってみました。動物によっては、いつもと違うものをとても警戒する場合があります。形ばかりか、色が違っただけでも近づかないなんてことが起きたりもします。でも、ハナさんはマットを入れたその日からちゃんとその上で寝てくれました。さすが、年の功と言えばよいのでしょうか。気持ちの良いことはすぐわかるようです。
だんだん暖かくなり、日差しが気持ちの良い時は保温マットから降りはしないものの、マットの上でのびのびとしていることもあります。一日中寝ていることの多いハナさんですが、気持ちよさそうなお昼寝姿を楽しんでください。


(小)




破壊王・・・じつはメスだった!!
(2012年11月28日)

  


元気良くあばれまくり展示場が粉々のアカハナグマですが、夜間寝室に収容ができなくて困っていました。もともと、メスと子供の集団で暮らし、オスは単独で行動する動物なので様子をみていました。
でも食べ物があると、オスがメスを寄せつけないだけでなくメスが逃げまどってしまい、メスが餌を食べられないだけでなく、オスがメスの分まで食べてしまいます。そこで、メスを以前からいたおばあちゃんのアカハナグマと同居させてみることにしました。

ところが、今度は若いメスが元気良くおばあちゃんがおされ気味。さぁ、困りました。でも、これでわかったことがありました。1頭になったオスは日々のんびりと暮らせるようになったらしく、昼間、放飼場でお昼寝をするように。そして、どこも壊れません。


結局、おばあちゃんの平和な生活を壊すわけにはいかないので、若いメスはまたオスと同居することに。でも、なにげにオスがやさしくなったようで餌を食べる時、扉を閉めて別々になることでなんとか解決。夜も扉こそ閉められないけれど、暖房の入った暖かい棚の上で2頭で寝られるようになりました。めでたし、めでたし。
メスによる破壊も少なくなったように思います。別居は良いきっかけだったかも。
ただし、今度はオスが水入れ(40×60cm位のコンテナ)をひっくり返して空にし、その中でお昼寝。昼間は水が飲めないアカハナグマたちです。

(小)




破壊王きたる?!
(2012年8月10日)

    
 

何かと話題になるカピバラの陰で、ひっそりとデビューしたアカハナグマのペア。
アカハナグマはこれまでも飼育していましたが、以前からいる個体(ハナちゃんと言います)が高齢なため若い個体を捜していました。

今回、カピバラが長崎バイオパークからやって来るのに伴い(トリアスふれあい動物園は長崎バイオパークの分園のようなもの)アカハナグマも一緒にお借りすることができました。オスが2歳、メスが4歳のペアです。
これまで飼育していたハナちゃんは性格もあるでしょうが、もうゆっくりとしか動けなかったので、この若い2頭のパワーにはびっくり。用意した放飼場はアッという間に破壊されてしまいました。

野生ではメスと子供が群れで暮らし、オスは単独で過ごす動物です。まだ居場所が決まらないのかオスとメスの距離が微妙です。
どこに何を置くか、何を作るかは彼らの様子をもう少し観察してからのほうが良いようです。

パワー全開で動き回る(破壊しまくる?)アカハナグマに元気をもらいに来て下さい。


(小)




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