長引く雨の仕業
(2020年7月31日)
  
 

なかなか終わらない梅雨。

雨が長引いたせいで困ったことに、昨年の年末に大掃除してきれいにしたオウムたちの展示場が早くも苔だらけになってしまいました…。あっという間に一面に広がり、さらにすくすく成長し、苔の上を歩くと少し厚みを感じるほどに。

苔は植物なので動物に害はないですし、オウムたちが下に降りてくることはあまりないので苔が生えていても特に問題はありません。

が、掃除中に私が滑る滑る…。

晴れている日は全く問題がないのですが、雨の日は一面に広がった苔が雨に濡れつるつる滑り足元が不安定な状態になります。急に足を取られるのでいつもヒヤヒヤしながら慎重に掃除をしています。お客さんの前で豪快に転ぶ前に梅雨が明けたらすぐにまた大掃除したいと思います。

 (田村)

 



 強すぎるアピール
(2020年2月15日)
   
 

人見知りだけど、人が大好きなポポちゃん。

初めて見る人に対してはおとなしいですが、顔を覚えるとよく喋りかけてくるようになります。いつもインコ舎に入る前から、気配を察して元気よく「オハヨウ!」と言ってくれます。掃除中も「オハヨウ!」と「ポポちゃん!」を連呼し、首元を自分の足でカキカキ。これは、かまって欲しいときのしぐさです。かまって欲しそうなときは、たくさん話しかけたり、ポポちゃんの首元を掻いてあげたりします。かまってあげるというのも信頼関係を築く上で大切なことなので、出来る限りかまってあげるように心がけています。ただ、そこで困ったことが一つ。

ポポちゃんの愛情は強すぎる。

何が強いのかというと、どうしても時間がない時はちょっとだけしかかまってあげることが出来ません。それをポポちゃんも分かっているので、あまりかまってあげずに掃除をしているとじわじわと近づいてきて「かまってよ!」という感じに洋服や髪の毛を噛んできます。それがまぁまぁ強い。

かまって欲しいという気持ちはわかるのですが、噛むという行為はよくないので噛めばかまってくれると覚えてしまわないように、無表情、ノーリアクションで耐えます。その戦いは何ヶ月か続きました。

服に穴が開きながらもノーリアクションを貫いた結果、強く噛んでくることはなくなりました。最近のポポちゃんの究極にかまって欲しい時のしぐさは、何としてでも視界に入る作戦です。上手く止まり木を利用し、いい具合に人の顔の隣にきてググッと顔を覗き込んできます。この作戦にはお手上げでした。さすがにこの作戦にはノーリアクション出来ないので、ついついかまって時間を忘れてしまいそうになります。何としてでも構ってもらおうとするポポちゃんの強い愛情は嬉しいんですけどね。

(田村)



 この時期の映えスポット
(2019年3月30日)
   
時間が経つのは早いもので、気づけばもうすぐ4月。大宮公園の桜も満開になりました。

公園内には桜の木がたくさんあり、映えるスポットがたくさんありますが、動物園の中で、私が密かに飼育係にしか見ることが出来ない「映えスポット」だなと感じている場所があります。それはインコ舎からの景色。インコ舎は動物園の入り口の目の前にあるのですが、インコ舎のバックヤードからは動物園の入り口越しに満開の桜の木々が見えます。掃除中、「オウムたちのバックに満開の桜」という映える景色を見ながら特別感に浸っています。さすがにバックヤードに入って見てみてください!なんて言うわけにはいかないので、写真でちょっとお裾分け。と思ったのですが、桜まで少し距離があるため写真だとあまり写りませんでした…。

 (田村)



  もはやアート作品?
(2019年2月15日)
 
   
 動物がエサを食べているところってなんだか美味しそうでついつい見入ってしまいませんか?実際に食べているところを見るのが好きな人が多いようで、動物がエサを食べていると「ほら!エサ食べてるよ!」と展示場の前でじっと見入っている人をよく見かけます。
食べているところを観察するのも面白いのですが、食べ残しにも注目してみると、発見があって面白いんです。
オウムたちには朝、ヒマワリとインコペレットという、キャットフードやドッグフードなどと同じような固形の飼料と、夕方にニンジンやリンゴ、バナナなどの野菜や果物をあげています。朝、掃除をするときにちゃんとエサを食べているのかチェックしてからエサ皿を回収するのですが、アオメキバタンのポポちゃんのエサ皿にはいつも丸い皮がのこっています。この丸い皮の正体はバナナ。インコやオウムたちは果物などを片脚でつかんで食べます。ポポちゃんはバナナの食べ方がとても上手!皮を切らずに中の果実の部分だけを上手に食べます。ほかのオウムも上手に中身だけ食べますが、皮が切れていたりすることもしばしば。しかしポポちゃんは驚異の確立で丸いまま残します。
いつもエサ皿を回収しながら器用だなあと感心。
食べ残しは朝1番に回収します。そのためなかなかお客さんには見てもらえる機会が少なく1人で密かに感動していましたが、少しはこの感動を共有できたかな?

(田村)



 

 別居の事情
(2014年8月14日)
 
    
 
当園では現在2羽のアオメキバタンを飼育しています。
1羽はインコ舎の中、もう1羽はキーパー通路の鳥かごの中にいます。来園者の方によく「どうして別々にわけているの?」と聞かれます。
この2羽は相性が悪いようで「ケンカ」をしてしまうからなのです。以前は、フライングケージに2羽一緒にいました。この時は広い空間があり、お互い自分の居場所がきちんとあったので、ケンカにならずにいた様ですが、諸事情により移動となったインコ舎の空間では、彼らには狭いようで1度ケンカになり、ケガをしてしまった過去があるので、現在は分けています。
彼らの大きな力強いクチバシは、木をかじる事も、硬いクルミを割る事も出来るそうで、ケンカで命を落としてしまう事もあるのだとか・・・。そうならないためにも、1羽は舎内。1羽は鳥かごという風にわけています。(定期的に舎内と鳥かごと入れ替えています。)
かわいそうと思われる方もいる事とは思いますが、そんな事情があるのです・・・。


(藪)




悲しい実情
(2013年10月15日)

 


動物園の入り口を入ると正面にあるインコ舎。ココでは9羽のインコやオウムが生活しています。

ココに2羽の「アオメキバタン」が居ます。眼の周りが青く、頭に黄色の冠羽(かんう)があるのが特徴です。ニューギニアに生息していますが、環境破壊などによって年々数を減らし、絶滅の恐れがあるため「ワシントン条約」によって保護の対象となっています。

当園にいる2羽のアオメキバタン。実は身勝手な人間により、大宮公園小動物園で飼育することとなったのです。

この2羽は税関で摘発され、保護されました。俗にいう密輸です。
動物の密輸は、たまにニュースでも話題にあがりますが、税関で摘発された動物たちがその後どうなるか知っている人は少ないと思います。

密輸される前の国へ戻される?答えはNOです。元の国に戻る事はほぼ無いと言えます。ではどうなるのか?
それは、動物園や水族館に緊急保護という形で収容されるのです。この動物園のアオメキバタンたちもそういった経緯でここで飼育しています。税関で生きて保護されただけでもラッキーといえます。中にはケースの中にぎゅうぎゅう詰めにされて死んでしまう個体も少なくないのです。

実は日本は動物の密輸大国と言われています。日本では、ペットショップに行けば犬、猫はもちろん爬虫類や鳥類、魚類に昆虫など様々な生き物がお金を出せば買うことができます。そしてお金が高くても人とは違った動物を買いたいと思う人がいて、違法だと分かっていても保護すべき野生動物を密輸し、売買する人も居るのです。そんな身勝手な理由で、不幸な動物が増えているのが現状です。

動物を飼う事は決して悪いことではありません。動物を適切に飼うためにはその動物の生態をよく知らなくてはなりません。
大切に飼う事できっと癒しにもなる事でしょう。そして、最後まで責任を持って飼う事によって命の重みを学ぶ事と思います。

「かわいいから」とか「珍しいから」買うではなく、飼うからには、その動物の事をよく勉強し「買い主」ではなく立派な「飼い主」になって下さいね!


(藪)




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