今回は、15歳から87歳までという幅広い年齢層の方からの、315点の応募がありました。そして今年はもっと若い人にも参加して頂こうという主旨から、新しくU(アンダー)−18賞が設けられました。人気のあった公園は、国営武蔵丘陵森林公園、所沢航空記念公園、その次に、大宮公園、川越公園などが選ばれていました。
技術的な面では、最近はプリントも自分で仕上げることが多くなっています。色々な写真のソフトがありますが、少なくとも、明暗、コントラスト、色調は、きちんと自分で調整できるようになるといいですね。プリントを外注する時は、パソコンは機種によって色味も様々ですから、データと一緒にサンプル写真をつけるといいでしょう。
このコンテストも、今回で23回を迎えました。当初はフィルムの時代でしたが、写真の世界は大きく様変わりして、今はすっかりデジタルの時代です。デジタル写真は、あらゆる撮影をいとも簡単に可能にしてくれ、撮影後もパソコンで色々と修正することができます。そして、フィルム代も気にせずに惜しみなくシャッターを何枚でも切ることができ、写真がいっそう身近な存在になったと思います。また、撮った写真はその場で確認することができ、納得がいくまで撮り直しができることにより、コンテストの写真のレベルは一段とあがりました。
しかし、カメラを通して世界を覗き、それを切り取る行為は、今も昔も同じです。ちょっと大げさに言うと、写真を撮る事は、人生を見つめ、その時の感じたものを切り取り記録すること、つまり自分の今ある想いを切り撮ることだと思います。普段の生活のなかで何気なく物を見る意識とはまったく違い、カメラを手にしている時は、より注意深く世界を見ているはずです。その時、自分が何を見つめ、何に心を動かされ、シャッターを切ったか。カメラを通し、見ることの目を研ぎ澄まし、ただ映像的に目を引く物を撮るのではなく、心の目で見ること、その一枚を大切に撮ることがとても大切です。
そうすれば、自ずと写真は上手くなり、その想いは、写真を見てくれる人にきちんと伝わります。そんな気持ちを心のどこかに意識してファインダーを覗けば、今までとは違った何かが見えてくるのではないでしょうか。