平成23年7月30日(共同通信社)
プールでの事故を防ごうと、埼玉県公園緑地協会(さいたま市)などは独自のプール管理者養成プログラムを創設した。事故を起こさない環境整備のため、管理者と監視員らの人間関係づくりを重視したのが特色。節電が叫ばれる今年はプール利用者の増加も予想され、関係者は「全国に普及してほしい」と期待を寄せる。
7月初旬、協会が管理する同県越谷市のプール事務所。5人一組に分かれた受講者のうち1人が、講師に与えられたお題を絵で表現すると、他の4人はそのお題が何かを当てる—。講習の一部「マインドプログラム」の一場面だ。ゲームを通じコミュニケーションや相互理解の大切さを学ぶ。
「一人一人が救助のプロでも事故は防げない。プログラムは管理者と監視員らの円滑な人間関係で安全な環境をつくるという考え方に基づいている」。プログラム監修者の一人で、ライフガード(水難救助員)の豊田勝義(とよだ・かつよし)さん(50)は説明する。
協会によると、救助の知識やスキルなど、事故発生時の対処法を教える資格制度は多いが、管理者の心構えに主眼を置いたプログラムは全国に例がないという。
自治体が管理運営するプールでは、危機管理の知識がない職員が異動で管理者となり、実際の業務は、委託先業者に丸投げされるケースが多い。
しかし、埼玉県ふじみ野市の市営プールで2006年、小学2年の女児=当時(7)=が吸水口に吸い込まれ死亡した事故では、管理を請け負った業者だけでなく、管理者の市教育委員会職員も刑事責任を問われ有罪判決を受けた。
協会の斉藤勉(さいとう・つとむ)さん(43)は「事故後、業者任せでは駄目だという認識が高まった」と話し、40年の管理実績がある協会も、監視員らアルバイトの教育を見直した。今回、これまでの教育ノウハウを管理者向けに改め、国際救急救命協会などと資格制度を立ち上げた。
講習は(1)心構え(2)救命技術(3)施設の危機管理—の三つのプログラムからなり、すべて受講すると「管理者認定証」が発行される。初回の今年は30人の定員に対し、埼玉、茨城、神奈川などから、自治体や民間業者の担当者ら約60人が参加した。
受講した東武動物公園(埼玉県宮代町)の桜井正行(さくらい・まさゆき)さん(33)は「意思疎通の重要性を実感した」と話す。職場では、アルバイトの話によく耳を傾けてから物事を進めるようになったという。
「事故が起こるのは管理者の怠慢。個人の技術でなく、チームで命を守る、そのリーダーシップを取る自覚を管理者には持ってもらいたい」。豊田さんは訴えている。























