平成22年2月21日(日) 
さいたま水上公園フィッシングフィールド
気温4度 水温6度 風速5m 天候 晴
準決勝 7時30分〜 9時 参加者22名
決 勝 9時30分〜11時 参加者10名

 

準決勝・決勝ドキュメント

  前年度、初開催でありながら非常にハイレベルな戦いを繰り広げた埼玉プールトラウトGP2009。
  今年は4水上公園で予選を各2回、そして準決勝、決勝とさらなるグレードアップを図った。
  予選のエントリーリストを見ると各水上公園の常連をはじめ、関東近郊から腕自慢のアングラーが名を連ねた。
 予選では、昨年の覇者や上位入賞者が敗退という波乱の幕開けとなったが、準決勝には各予選3名という狭き門を突破した強者たちが上尾市にあるさいたま水上公園に集合した。
 話を聞けば地元の水上公園に足繁く通う者、渓流や湖で腕を磨きながら初めて参戦した者など、いずれもその釣りにおいては一歩ぬきんでた者しか勝ち上がることを許されないことが感じ取れる。
  迎えた当日の6時、気温の低さとこの時期特有の北風が吹き付ける。
  スタッフが慌ただしく準備を進めるなか、参加者が駐車場で自分のタックルを念入りにセットしているのが遠巻きにわかる。
 いよいよエントリーが始まる。参加者のリールが朝日に照らされ鈍い光を放つ。お互い軽い会話はするが眼を合わせようとしない。我々の気付かないところで心理戦は始まっているのだ。横目で他人のタックルを観察する者、釣り場周辺を歩き、コンディションを確認する者、一層緊張感が高まる。
  決勝に勝ち上がれるのは22名の内の上位10名、まずは準決勝の火ぶたが切って落とされた。
前々日に放流したにもかかわらず、予想に反し竿がしならない。強風の影響かそれとも水温の低下が原因か、食いが渋い。
  ただ、この状況下が一層の緊張感とハイレベルな戦いであることを伺わせる。ラインの動きを見つめる目つきは鋭くハンターのようである。結局この状況は終了時まで続き、トップの6匹を筆頭に3匹以上を釣り上げたものが決勝へと駒を進めた。
  いよいよ決勝、ここに勝ち上がれただけでも十分なステイタスである。準決勝敗退者の羨望の眼差しを受け、そして己のプライドを掛けた決勝戦が始まった。
  準決勝終了後、放流はしたものの状況は変わらずタフなコンディションのままである。
  勝負は横一線、ルアーを替え、あらゆるレンジを攻め、まさに総力戦の様相を呈している。どこかで銀色の魚体が舞うたびに人々の視線が注がれる。あきらめるものなど誰もいない。
  そして11時戦いは終わった。天を仰ぐ者、タバコに火をつける者、持てる力は全て出し切った。
  そして、しらこばと代表の参加者が10匹の釣果を上げ見事に優勝に輝いた。
  表彰式では、年間無料パスポートを始め協賛品の豪華な賞品が渡され、全てのプログラムが終了した。
  来年へのリベンジを誓う者、お互いの戦いをたたえ合う者、埼玉プールトラウトGP2010に新たな1ページが加えられた。
  全ての終わりは全ての始まりでしかない。
  人々の心はさざ波のように揺れる。
  そこに釣り場がある限り、人はロマンを求め今日も旅立つ。