大宮公園小動物園

三種の歴史と未来に繋がったこと②

山本飼育係

2022年2月15日

1回目はカナダガンについてお話ししましたが、2回目ではハワイガンを紹介します。

ハワイガンは名前にある通り、ハワイ諸島に生息しているガンです。

カナダガンが先祖と言われており、独自の進化を遂げた種です。

ハワイ名ではNeNe(ネネ)と呼ばれています。

なぜネネかというと、「ネーネー」という鳴き声が由来になっています。

ハワイ諸島で親しまれているガンですが、過去には数が激減し、絶滅の危機に瀕しました。

その原因は、ネズミ駆除のために輸入されたマングースがハワイガンを狙うようになってしまったことです。

ネズミは主に夜行性であるのに対し、マングースは昼間に活動します。そうなると、日中は餌が見つけにくくなります。そこで飛翔能力が低く、容易に捕まえられるハワイガンやその卵が標的にされてしまいました。その後も移入された犬やブタ等により、1800年代ごろにはおよそ3万羽いた個体が野外から絶滅し、ハワイ諸島では見ることができなくなりました。

しかし、飼育されていた30羽程の個体が繁殖し、少しずつ数を増やしていった結果、

現在ではハワイ諸島のいくつかの島で見られるようになりました。

ハワイガン(ネネ)はハワイの州鳥になり、大切に保護されています。

 

当園ではオス一羽を飼育しています。

ハワイガンは水鳥の仲間ですが、溶岩の多い高原に住んでいるため、水かきはあまり発達していません。その代わりに足の裏が厚く、足場の悪い場所でも歩行することができます。

同じ水鳥の仲間であるインドガンの足
ハワイガンの足

動物園でも水にはほとんど入らず、主に陸上で活動します。

以前はフライングケージの隅に座り込んでいることが多かったのですが、最近は飼育係が入ると鳴きながら近づいてくるようになりました。さらに羽を広げたり、頭を上下に振ったり、威嚇するように餌を催促します。体は小さいですが、まっすぐ向かってくる様子は中々の迫力です。でも、本来は大人しい鳥なので、攻撃をしてくることはありません。

座り込んでいるところ

迫り来るハワイガン

 

日本ではあまり有名な鳥ではありませんが、ハワイでは歴史が深く、とても大切な存在のネネをぜひ知ってほしいなと思います。

 

ガンのお話しは次回で最後となります。

3回目もお楽しみに。

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