大宮公園小動物園

変わっていく展示

山本飼育係

2023年5月15日

動物園の展示の1つに「生態的展示」というものがあります。これは自然的景観の中で、動物の行動や生活の様子を見せる展示方法のことです。

クビワペッカリー舎も、より自然に近い展示を目指すため、4月の下旬から整備を始めました。

クビワペッカリーは主に南アメリカの森林地帯のほか、砂漠やサバンナなど、様々な環境に適応している動物です。 以前、展示場はスコリアという火山石だけを敷いていました。今回ペッカリーの適応能力を活かすため、新たに山砂を導入し、スコリアと山砂、2つの生活環境を作りました。

山砂は名前の通り、山から採取した砂のことです。水流にもまれる前の砂で、土に近い性質を持っており、保水性が高いのも特徴です。

山砂を入れる作業は、ペッカリーを寝室に収容した閉園後に行います。あらかじめ山砂を土嚢袋に入れて、ペッカリーの展示場に運びます。重量のある山砂を運ぶのはとても体力が必要となる作業です。そして何日かかけて、重さにして約2.5tの山砂が展示場に入りました。

山砂を入れた土嚢袋

整備前の展示場
山砂を入れた展示場 奥がスコリア

朝、ペッカリー達がどんな反応をするのか観察してみると、最初はいつもと違う環境に警戒していましたが、しばらくすると穴を掘る様子が確認できました。野生でも地面を掘って地下茎などを探して食べるため、ペッカリーが本来持つ能力を引き出すことができました。また、以前の石が多い展示場に比べ足場がよくなったことで、より速く走り回る姿も見ることができました。

山砂の上を歩くペッカリーの群
自然を再現した展示

野生と同じ環境にすることは難しいですが、今後も展示場は少しずつ変わっていきます。動物を見る際はどのような展示になっているのか、合わせて注目してください。

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〒330-0803 
さいたま市大宮区高鼻町4

大宮公園小動物園管理事務所

電話:048-641-6391(大宮公園事務所)

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